📘 操作・活用マニュアル

提案書づくりに毎回1〜2時間かけていませんか? 相場データの整理からAIの顧客向け提案書まで、物件目利きリサーチで流れを一本化する方法

更新 ⏱ 約8分物件目利きリサーチ 編集部

相場の数字を集めて、言葉にして、提案書の体裁に整える——毎回ゼロから組み立てている作業を、トップページの相場調査(PDF出力)と「エリア提案レポート」の顧客提案モードでつなぐ手順を、実際のAI出力を切り替えながら解説します。

査定や住み替えの相談を受けるたびに、こんな作業を繰り返していないでしょうか。

  1. 国交省の取引データや過去の成約事例を探して、表計算ソフトに貼り付ける
  2. 平均・中央値・㎡単価を計算し、物件種別や地区が混ざっていないか確かめる
  3. 「なぜこのエリアをすすめるのか」を、顧客の家族構成や予算に合わせて言葉にする
  4. ハザードや価格動向など、伝えるべき注意点を漏れなく添える
  5. 最後に、顧客に渡せる体裁(見出し・あいさつ・注記)に整える

1つひとつは難しくありません。時間がかかるのは、数字を集める作業と、それを言葉にする作業が、担当者ごとのやり方でバラバラに行われているからです。ベテランは早く、経験の浅い担当者ほど時間がかかり、資料の品質にも差が出ます。

このガイドでは、物件目利きリサーチの 相場調査(トップページ) と エリア提案レポート を使って、この流れを「数字 → 言葉 → 提案書」の一本道にする手順を紹介します。

1. AIの提案書は、どこまで使える品質なのか

まずは出力の質を確かめてください。下のデモは、本番のエリア提案レポートに3つの条件を入力して 2026年10月20日に実際に生成した出力 です。上のボタンで条件のパターンを、その下のボタンで提案エリア(各パターン3エリア)を切り替えられます。

体験デモ: エリア提案の実際の出力

本番の AI に下の条件を入力して 2026.10.20 に生成した出力です(数値は生成時点のデータ)。施設名や再開発などの地域の話題は公開前に事実確認し、誤り・古くなった記述は直して、そのエリアに修正内容を明記しています

利用目的
💼 顧客への提案書作成
提案する顧客の属性・家族構成
30代共働き夫婦、未就学児1人、車なし。夫は大手町、妻は新宿へ通勤
顧客の要望・懸念事項(予算など)
5,000万円台、中古マンション、駅徒歩10分以内、水害リスクを気にしている
対象の広域エリア
東京23区

顧客向け提案書

東京都板橋区(板橋区役所前・新板橋駅周辺エリア)

おすすめの理由

  • ●都営三田線で大手町へ直通、JR埼京線(板橋駅・新板橋駅近接)で新宿へも直通アクセスが可能であり、車を持たない共働きご夫婦の通勤利便性を高い水準で両立できます。
  • ●国交省データによると板橋区の中古マンション中央値は80.0万円/㎡(1790件、前年比+6.3%)で、ご予算5,000万円台でも駅徒歩10分以内のファミリー向け物件を十分に狙える価格帯です。
  • ●荒川から離れた武蔵野台地上に位置し水害リスクが低いことに加え、区では「3D都市モデル PLATEAU」を活用した水害可視化ツール(荒川氾濫時の浸水と避難行動を3Dで表示)を公開するなど、水害への備えに積極的です。

提案トーク(そのまま顧客へ)

ご主人様の大手町、奥様の新宿への通勤を両方とも直通で叶えるなら、都営三田線とJR埼京線が使える板橋区の中南部エリアが非常におすすめです。板橋区の中古マンション単価は中央値80.0万円/㎡と、5,000万円台のご予算で駅徒歩10分以内の広めのお部屋が狙える上、取引件数も1790件と豊富です。内陸の台地エリアを選べば水害リスクを抑えられるほか、区としても「3D都市モデル PLATEAU」を用いた水害可視化ツールを公開するなど、防災意識が高い点も安心材料になります。

キャッチコピー(チラシ・マイソク用)

大手町・新宿へダイレクト!高台エリア×防災先進区で叶える安心の共働き子育てライフ

顧客に伝えておきたい注意点

  • ⚠板橋区内でも北部の荒川沿いエリアは浸水想定区域に含まれるため、物件選定時は内陸の台地側(板橋区役所前や新板橋周辺など)に絞って探す必要があります。
  • ⚠直近の中古マンション㎡単価が前年比+6.3%と上昇傾向にあるため、好条件の駅近物件は早期に成約する可能性があります。

📊 この提案の数値根拠(文中の強調箇所)

  • 80.0万円/㎡
  • 1790件
  • 前年比+6.3%

✏️ 公開前の事実確認で修正した箇所

  • 成増地区の下水道施設「第二成増幹線」の工事に触れていましたが、該当する事業を公的な資料で確認できなかったため削除しました。

📊 価格・㎡単価は国交省の取引データ(直近4四半期、市区町村別)に基づいています。

🔎 参考にした最新の地域情報(Web検索・12件): city.adachi.tokyo.jp / city.itabashi.tokyo.jp / city.nerima.tokyo.jp / go2senkyo.com / homes.co.jp / iwasetakeshi.net / k-mil.net / kensetsunews.com / koguchiyoko.net / kondou-takahiro.com / mlit.go.jp / pasonagroup.co.jp

⚖️ 本提案は公開データと AI による参考情報です。個別の不動産の価格や将来価格を示すものではなく、不動産鑑定評価・投資助言には当たりません。制度の適用条件・事業の進捗・ハザードは必ず出典の一次情報と自治体窓口でご確認ください。

見てほしいのは次の3点です。

  • 数値の根拠が文中に入っている: 青く強調した「80.0万円/㎡」「1790件」「前年比+6.3%」は、国交省の取引データ(直近4四半期・市区町村別)の値です。AIが推測した数字ではありません。
  • 注意点まで書かれている: 「板橋区内でも北部の荒川沿いは浸水想定区域に含まれる」のように、勧めるだけでなく、顧客に先に伝えておくべきリスクも1〜2点出ます。
  • 利用目的でトーンが変わる: 「初めての区分投資(自分の検討)」に切り替えると、営業トークの代わりに中立的な「総評・判断のポイント」になります。

デモについての注意 再開発計画や病院の開院時期などの地域の話題は、AIがWeb検索で集めた情報です。このデモでは公開前に1件ずつ裏取りし、9エリア中6エリアで「公式の資料で確認できない計画」や「すでに開業済みの施設を“予定”と書いた記述」が見つかったため、修正して紫色の枠に修正内容を明記しました。数値の根拠は国交省データで固くても、地域の話題は古い記事や不確かな情報が混ざることがあります。顧客に渡す前に、出典の一次情報と自治体の窓口で必ず確認してください(実際の画面にも同じ免責事項が付きます)。

この結果を受けて、2026年10月20日から実際の画面では、地域の話題を自治体・鉄道会社・大手デベロッパーなどの公式情報で裏付けたものだけに絞り、各エリアに「根拠メモ(ファクトチェック)」を表示するようにしました(下のSTEP 3で紹介します)。このデモの出力は、その改善の前に生成したものです。

2. 実務での手順(3ステップ)

STEP 1: 物件の所在地で相場を調べ、根拠の数字をPDFに残す

トップページで物件の所在地を地図で選び、「調査開始」を押します。対象の市区町村の取引データから、データ件数・平均取引価格(中央値つき)・平均㎡単価・取引価格レンジ と、取引価格推移のグラフ、AIによるエリア特性の調査レポート(エリア総評・子育て・生活環境・開発・再開発動向・補助金など)がまとめて表示されます。

査定の根拠に使うときは、物件種別フィルタ で「中古マンション等」「宅地(土地と建物)」などに絞ってから数字を見てください。種別が混ざったままの平均は、土地付きの高額な取引に引っ張られます(理由は第3弾のガイドで詳しく解説しています)。

STEP 1: 「出力設定」でPDFに含めるセクション(取引価格サマリー&ハザード、価格推移グラフ、エリア特性調査レポートなど)を選び、「PDFをダウンロード」

「出力設定」では、PDFに含めるセクション(取引価格サマリー&ハザード/生活環境情報/気象・日照サマリー/価格推移グラフ/エリア特性調査レポート/取引事例一覧)と、地図・暮らしのイメージを含めるかを選べます。チェックを外した項目はPDFにだけ載らず、画面にはそのまま表示されます。PDF出力は Proプラン の機能です。

STEP 2: 「顧客への提案書作成」で、顧客の条件を入力する

次に、メニューの エリア提案 を開き、利用目的で 「💼 顧客への提案書作成」 を選びます。入力する項目は3つです。

項目入力のコツ
提案する顧客の属性・家族構成(1,000文字まで)年代・家族構成・通勤先・車の有無まで書くと、理由と提案トークが具体的になります。「+ 条件を選んで追加」のプリセットも使えます
顧客の要望・懸念事項(予算など・300文字まで)予算に加えて「水害リスクを気にしている」など、顧客が気にしている点を書くと、注意点に反映されます
対象の広域エリア東京23区/東京都下/神奈川県/千葉県/埼玉県/関西エリア/その他 から選びます
STEP 2: 利用目的を「顧客への提案書作成」にして、顧客の属性・要望・対象エリアを入力

予算との整合は、AIが国交省データの ㎡単価(中央値) を見て判断します。「5,000万円台」のように金額を書いておくと、予算内で狙えるかどうかが理由の中で説明されます。

STEP 3: 根拠を確認して、「提案書としてコピー」

「顧客向け提案書を作成する」を押すと、30〜50秒ほどで 最大3つのエリア が提案されます(デモの3パターンは、いずれも32〜33秒で生成されました)。各エリアには次の項目が並びます。

  • おすすめの理由(2〜4項目。国交省データの数値を含む)
  • 提案トーク(そのまま顧客へ)
  • キャッチコピー(チラシ・マイソク用)
  • 顧客に伝えておきたい注意点(1〜2項目)
  • 根拠メモ(ファクトチェック)(本文で再開発・新駅・施設などに触れたエリアだけ)
  • 位置関係がわかる小さな地図と、そのエリアの相場・ハザードの詳細へのリンク
STEP 3: 理由の中の数値と注意点を確認してから、「提案書としてコピー」でメールや資料に貼り付け

コピーする前に、各エリアの 🧾 根拠メモ(ファクトチェック) を開いてください。AIが本文で触れた事業・施設ごとに、次の4点が並びます。

表示意味
状態開業・竣工済み/予定/工事中・事業中/時期・状態は要確認
時期公式情報にある時期(例: 2026年12月予定)。年が曖昧なものは「〜年頃(要確認)」
根拠公式・一次ソース(Web検索)/国交省データ・自治体の公式情報/根拠なし(要確認)
出典自治体名・事業者名など
根拠メモの例(2026年10月21日、デモと同じ「子育て共働き世帯」の条件で実際に生成した出力)。中野駅西側の南北通路・橋上駅舎は、中野区・JR東日本などの共同発表で2026年12月6日の供用開始が確認できます

このときは3エリアのうち、中野区だけに根拠メモが付きました。練馬区と板橋区では公式情報で裏付けの取れる再開発情報が見つからなかったため、具体的な事業名は書かれず、注意点に「直近の公式な再開発・都市計画情報は確認できませんでした」と表示されています。裏付けのない計画を「らしく」書かないのが、この機能の狙いです。

根拠メモに 「根拠なし(要確認)」 が付いた項目や、本文の「(要確認)」「(※公表時の予定。現在の状況は要確認)」が付いた箇所は、出典を確認するまで顧客には伝えないでください。

「📋 提案書としてコピー」を押すと、「【ご提案エリア】」の見出し、あいさつ文、おすすめの理由、ご提案コメント、ご確認いただきたい点、免責事項までが 顧客にそのまま送れる体裁 でクリップボードに入ります。デモのボタンでも、同じ体裁のテキストをコピーできます。

3. 使いこなしのポイント

理由の数字は、STEP 1の画面と突き合わせる 提案の㎡単価は市区町村単位の直近4四半期の中央値です。駅や地区まで絞った水準は、STEP 1の相場調査(地区名・物件種別で絞り込み)で確認し、PDFを添えると説得力が上がります。

「要確認」が残ったまま渡さない 根拠メモの「根拠なし」や本文の「(要確認)」は、AIが公式情報で裏付けを取れなかった印です。自治体の都市計画課や事業者のプレスリリースで確かめてから書き直すか、その一文を削ってから渡しましょう。「予定」の時期も、公表後に延期されることがあります。

注意点は削らずに渡す 「水害リスクが低い高台側に絞って探す必要がある」といった注意点は、後からのトラブルを防ぐ材料です。都合の悪い情報を先に伝えるほど、提案全体の信頼度が上がります。

ヒートマップから来ると、町丁目のシグナルも反映される 第1弾のガイドで紹介したヒートマップのエリアパネルからエリア提案を開くと、その市区町村の先行シグナル(町丁別ギャップ指数)と自治体の公式情報が提案に反映され、出典つきで表示されます。

よくある質問

AIで顧客向けの提案書を作るには、どのプランが必要ですか?
エリア提案レポートはProプラン以上の機能です。利用目的「顧客への提案書作成」はBusinessプラン(月額3,980円・年額39,800円)で無制限に使え、Proプランでは月1回までお試しできます。「自分の購入・投資検討」はProプランで利用できます。
AIの提案書に出てくる㎡単価や取引件数は、AIが推測した数字ですか?
いいえ。㎡単価・取引件数・前年比は、国交省の取引データ(直近4四半期・市区町村単位)の値です。一方、再開発計画や施設の開業時期などの地域の話題はAIがWeb検索で集めた情報です。自治体・鉄道会社・大手デベロッパーなどの公式情報で裏付けが取れたものだけを使い、各エリアの「根拠メモ」に状態・時期・出典を表示しますが、顧客に渡す前に一次情報で必ず確認してください。
AIの提案に出てくる再開発や新駅の情報は、どこまで信用できますか?
各エリアの「根拠メモ(ファクトチェック)」を開くと、AIが本文で触れた事業ごとに、状態(開業・竣工済み/予定/工事中・事業中)・時期・根拠の種類・出典が表示されます。公式情報で裏付けが取れなかった名称には「(要確認)」が、すでに過ぎた日付を予定と書いた箇所には「(※公表時の予定。現在の状況は要確認)」が自動で付き、信頼できる情報が見つからないエリアでは「直近の公式な再開発・都市計画情報は確認できませんでした」と表示されます。「根拠なし」「要確認」の項目は、自治体や事業者の公式発表で確認してから使ってください。
生成した提案書は、そのまま顧客へのメールや資料に使えますか?
「提案書としてコピー」を押すと、見出し・あいさつ文・おすすめの理由・ご提案コメント・ご確認いただきたい点・免責事項までを、顧客に送れる体裁でコピーできます。価格は市区町村単位の参考値で、個別の物件の価格や将来価格を示すものではないため、注意点は削らずに渡してください。